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フル墨攻

「少しまとまった思いつき」を書きます

インド洋全域監視など無意味なのです

レーダーについて指摘があったので。

● なぜマレーシア航空370にディエゴガルシア基地を攻撃させたがるのだろうか? - フル墨攻
http://wetfootdog.hatenablog.com/entry/2014/03/24/164207
はてなブックマーク - なぜマレーシア航空370にディエゴガルシア基地を攻撃させたがるのだろうか? - フル墨攻
http://b.hatena.ne.jp/entry/wetfootdog.hatenablog.com/entry/2014/03/24/164207

あ、海流については間違ってました。たしかにもうしばらくかかる。

OHTレーダーは?

ブコメでもありましたが、OTH(超水平線)レーダーというものがあります。
これは通常、水平線までの距離よりやや先までしか電波が届かない(探知できない)レーダーと違って、水平線の先数千kmまで探知できるレーダーです。ただ、精度が低いので旅客機などの運行を監視するためのものではありません。

ではなぜそんな精度の低い超長距離レーダーが必要なんでしょうか。
それはつまり時間をかせぐためです。

  1. 国土が広く国境線が長かったりすると、そのすべてに軍隊(または警察)を貼りつけておくわけにはいかなくなる
  2. そうすると、いざなにか緊急事態が生じた時にそこへ対応部隊を派遣するのに時間がかかる
  3. これが地上部隊ならともかく、航空機や飛翔体だとそんな悠長なことは言ってられない
  4. なので、国境よりずっと遠方まで監視しておく必要がある

で、その際に監視すべきなのは「こっちへ向かってくる不審なもの」だけでいいので、そんなに細かい情報は必要ない。
不審だと確定したら、警戒機や偵察機でより詳細な情報をとればいい。

最初に戻りますが、OTHレーダーは「守るべき範囲が広大で対応部隊の展開に時間がかかる」場合に必要なわけです。
つまり小さなディエゴガルシア基地にOTHレーダーは必要ない、インド洋全域を監視する必要もない。
そして広大なインド洋を超えて攻撃してくる能力のある国は限られているし、海上からの接近は簡単に探知・対応できる。

ディエゴガルシア基地にとって、インド洋全域を監視する意味などないのです。

じゃあAWACSは?

AWACSは高度1万mぐらいまでが上昇限界のようですが、そのあたりからレーダーで同じくらいの高度(巡航高度)を飛ぶ旅客機を探知しようとしてもだいたい400kmちょいぐらいまでしか届きません*1

ただ、レーダーを使わない方法もあるようです。

高感度の電波受信装置を使って、こちらは電波を出さずに敵の戦闘機が発信する電波を五五〇キロもの遠方で探知、その内容を瞬時に自動分析し、戦闘機の型を特定し、位置や高度、速度などを知ることができる。AWACSレーダーの目標探知距離は高度八〇〇〇~九〇〇〇メートルの所で三七〇キロ。
日本財団図書館(電子図書館) 私はこう考える【自衛隊について】 http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2002/01257/contents/401.htm


マレーシア航空370がレーダーをふつうに発信していれば、550kmの距離でも探知できるわけですが、それがこの前のエントリの図の500kmの範囲です。
f:id:wetfootdog:20140324121548j:plain
これでディエゴガルシアから1000kmまでの範囲はカバーできるので、AWACS1〜2機でぐるぐる回ってれば周辺の警戒は十分なんじゃないでしょうか。
旅客機の速度(時速900〜1000km)であれば、この範囲でスクランブル→警告→撃墜は余裕でしょう。

まぁやはりインド洋全域のカバーは無理というか、無意味でしょうね。
アメリカがなにも言わないのは「そんな遠くのことは知らんがな」ってことなんでしょう。

*1:もちろんもっと高い高度を飛ぶ物体であればさらに先まで探知できるし、もっと低い高度を飛ぶ物体であればもっと近くでしか探知できない。